JRA騎手の通信機器不正使用問題(最新は藤田菜七子騎手)

夕陽の京都競馬場 不定期コラム

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調整ルームでの通信機器に関するルール

JRAの騎手は競馬開催前日である金曜日の21時までに競馬場施設内かトレセン施設内の「調整ルーム」に入室しなければならず、その調整ルーム内で公正を確保するために外部との連絡を遮断しなければならないルールになっています。

2011年以降はスマホ等の通信機器をセーフティBOXに預けることになっていますが、職員への届け出があれば通信を行わない条件で持ち込みはOKだったようです。

後述する若手騎手6名のスマホ不正使用を受けて2023年6月より通信機器の持ち込みは完全NGとなり、調整ルーム玄関に設置されているセーフティBOXに職員立ち合いの上で通信機器の預け入れ必須となりました。預け入れた通信機器は開催が終了するまで取り出すことは一切できません。

なお、厩舎関係者との連絡はルーム内に設置している内線で行うことができます。

食事や仮眠・入浴などができ、レース合間の滞在場所となる「ジョッキールーム(騎手控室)」では若手騎手6名の不正発覚以前でも通信機器の持ち込みはNGとなっています。


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藤田菜七子

  • 10/09…週刊文春電子版にて疑惑報道(有料記事)
  • 10/09…記者取材時に本人は否定した模様
  • 10/09…美浦トレセンにて既報2名(永野・小林)の調査内容について説明会実施
  • 10/09…本日報道の疑惑記事については本人に事情徴収をするとの発表
  • 10/09…17時に事情聴取した結果、本人が認める
  • 10/10…週刊文春10月17日号に記事掲載
  • 10/10…JRAから公式発表で10/11より騎乗停止処分が決定
  • 10/10…菜七子騎手本人がJRAに引退届を提出(競馬ラボ速報)
  • 10/11…早朝根本先生が引退届提出の事実を認める
  • 10/11…10:00時点JRAの正式発表(引退届受理)はなし
  • 10/11…16:00過ぎJRAから免許取り消しの公式発表あり

▼週刊文春での疑惑報道

週刊文春10月17日号

<掲載記事について>
・121~122ページに掲載で内容は1ページと1/4ほど
・関係者3人と菜七子騎手本人への取材内容
・入手した通信機器のデータ等は掲載していない
・取材写真などはなくすべて文字

▼突然の騎乗停止処分

2024年10月9日の週刊文春の報道を受けてJRAが藤田菜七子騎手本人事情聴取をした結果、10月10日午前に翌日からの騎乗停止処分が発表されました。

2024年10月10日JRAからの公式発表

騎手 藤田菜七子(美浦・根本康広厩舎)は、2023年4月頃まで複数回にわたり、調整ルーム居室内に通信機器(スマートフォン)を持ち込み、通信していたことが判明しました。
このことは、本会の騎手として重大な非行があったものと認められるため、日本中央競馬会競馬施行規程第148条第2項により本事案について裁定委員会に送付するとともに、同条第4項により2024年10月11日(金曜)から裁定委員会の議定があるまで同騎手の騎乗を停止することとしましたので、お知らせします。

JRA公式ホームページより引用

裁定委員会送致になったことで30日以上の騎乗停止は確実視されました。このJRA公式発表の内容で、問題視されているスマホ不正使用が「現在」ではなく「2023年4月頃まで」ということが判明しました。

▼根本調教師による新事実の判明か?

当初はこの「2023年4月頃まで」という発表で不正使用の時期は後輩たちと同時期であると私も思っていましたが、10月11日早朝の根本先生コメントによるとそうではなく、2023年の若手騎手6人不正使用を受けて全騎手聞き取り調査をした時に「過去の不正」を自己申告したということでした。だから「2023年4月」ではなく「2023年4月頃まで」の表記だったのでしょうか。

2024年10月11日早朝、根本調教師のコメント要約

・本人は人前に出れるよう精神状態ではない
・昨年5月時点で今回報道された不正使用はJRAに自己申告し厳重注意処分を受けている
・今回の報道を受けてさらに処分を受ける形となった
・引退届は根本先生の万年筆で大泣きしながら書いた
・ご両親や旦那さんに相談しての結論
・このサークルに戻ってくるつもりはないと思う
・大泣きしながら届を書いた姿は死ぬまで忘れない
・逃げたと思われるのは不本意なのでこれだけは伝えたいという思いでコメント

しかしJRA側は「過去の不正」の自己申告内容に虚偽の報告があったということを主張。当時の報告では「TwitterとYouTubeの使用」であり「相手のある通信は行っていない」という調書にも押印していたとのことです。

2024年10月11日午後、JRA審判部長のコメント要約

・当時の聞き取り調査ではTwitterとYouTubeの使用だけで他者との通話はない
・実際には厩舎関係者との通話があったので虚偽の申告になる
・当時厳重注意となった藤田騎手は調整ルームでの使用だったため
・騎乗停止となった女性騎手はジョッキールームでの使用だったため

▼急転直下の引退届

根本調教師のコメントによると、この自己申告当時に口頭での厳重注意を受けており、今回の報道でさらに裁定委員会送致という新たな処分が下されたことに納得できず、引退届の提出ということになったようです。

ここでもJRA側は反論し、当時の厳重注意はあくまで指導であり処分ではない。よって二重処分には当たらないという見解のようです。

▼個人的な願いとして

今回の件で当初は菜七子騎手に対しての批判がネット上にあふれ、根本先生のコメント以後は一転してJRAに対しての批判があふれた場面もありましたが、デビュー当時から菜七子ファンである私の願いとしては誰が悪いかということよりも、とにかく元の状態に戻ってほしいこと。そのためには場外乱闘ではなく、もう一度JRAと菜七子騎手の当事者同士が時間をかけて話し合ってほしいこと。ただそれだけでした。

しかしその願いかなわず2024年10月11日、16時ごろJRAからの公式発表で同10月11日付で騎手免許を取り消したと正式発表があり、同時に公式HPのプロフィール欄は削除されました。

最終的に両者の話し合いは実現せず、JRA側の言い分と菜七子騎手側の言い分が違うままという結果に終わりました。文春報道からわずか3日目という出来事でした。

2024年10月11日JRAからの公式発表(引退について)

藤田菜七子騎手(美浦・根本康広厩舎)から騎手免許の取消申請があり、10月11日(金曜)付けで騎手免許を取り消しましたので、お知らせします。

※JRA公式ホームページより引用

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永野猛蔵/小林勝太

永野猛蔵騎手…通信機器の持ち込みが禁止されている状況において、1台はセーフティBOXに預け、もう1台を居室に持ち込み通話していた。

小林勝太騎手…通信機器の持ち込みが禁止されている状況において、1台はセーフティBOXに預け、もう1台を居室に持ち込み通話していた。

▼2024年10月7日JRAからの公式発表

騎手 永野猛蔵(美浦・伊藤圭三厩舎)は、2024年10月5日(土曜)から2024年10月6日(日曜)にかけて、東京競馬場調整ルーム居室内に通信機器(スマートフォン)を持ち込み、通信していた事実が判明しました。
また、騎手 小林勝太(美浦・小野次郎厩舎)についても、永野騎手に対する調査のなかで、2024年9月27日(金曜)に美浦トレーニング・センター調整ルーム居室内に通信機器(スマートフォン)を持ち込み、通信していた事実が判明しました。
これらのことは、本会の騎手として重大な非行があったものと認められるため、日本中央競馬会競馬施行規程第148条第2項により本事案について裁定委員会に送付するとともに、同条第4項により2024年10月8日(火曜)から裁定委員会の議定があるまで両騎手の騎乗を停止することとしましたので、お知らせします。

※JRA公式ホームページより引用


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水沼元輝

水沼元輝騎手…通信機器の持ち込みが禁止されている状況で飲食店の予約・WEBサイトやSNSの閲覧に使用していたことが発覚。またスマホケースのみをセーフティBOXに預けるという偽装工作行為が悪質と判断され9か月間の騎乗停止処分となる。

▼2024年7月10日JRAからの公式発表

本日7月10日(水曜)、第2回裁定委員会を開催し、下記のとおり決定しましたのでお知らせいたします。

騎手 水沼元輝は、2024年3月2日(土曜)から同年5月26日(日曜)までの間、調整ルーム入室義務期間中にトレーニング・センターおよび競馬場の調整ルームの居室内に複数回にわたりスマートフォンを持ち込み、Webサイト等の閲覧を継続的に行った。また、2024年第2回東京競馬第12日(5月26日(日曜))に騎乗のところ、前日に美浦トレーニング・センター調整ルームの居室内で他者との通話および通信を行った。
これは、本会の騎手として重大な非行があったものと認め、日本中央競馬会競馬施行規約第67条第17号および日本中央競馬会競馬施行規程第147条第20号により、2024年5月31日(金曜)から2025年2月28日(金曜)まで騎乗を停止する。

※JRA公式ホームページより引用


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古川奈穂/永島まなみ/今村聖奈/河原田菜々/小林美駒/今村聖奈/角田大河

JRA発表前にGJのスクープ記事により問題の発覚。

古川奈穂騎手…通信機器持ち込み禁止となっているジョッキールームにスマートフォンを持ち込み、通信を伴うWEBサイト閲覧を行ったため30日間の騎乗停止処分となる。

永島まなみ・河原田菜々・小林美駒騎手…同上の理由で30日間の騎乗停止処分となる。

今村聖奈騎手…上記騎手と同様にジョッキールームで通信を伴うWEBサイト閲覧したことと、調整ルームで他の騎手との通話を行ったことで30日間の騎乗停止処分となる。

角田大河騎手…認定調整ルームで他騎手との通話を行ったことで30日間の騎乗停止処分となる。

▼2023年5月3日JRAからの公式発表

2023年4月23日(日曜)第1回福島競馬第6日において、開催日における騎手の不適切な通信機器(以下、スマートフォン)使用事案が判明しました。また、その後の調査において、同日の第1回京都競馬第2日に騎乗していた騎手についてもスマートフォンの不適切な使用が確認されました。
これらの件を受け、下記6名について騎手としての業務上の注意義務を怠ったものと認め、日本中央競馬会競馬施行規程第147条第19号により、2023年5月13日(土曜)から2023年6月11日(日曜)まで、30日間の騎乗停止としました。

第1回福島競馬第6日 騎乗騎手

騎手 河原田菜々騎手控室にスマートフォンを持ち込みインターネットを閲覧
騎手 小林美駒騎手控室にスマートフォンを持ち込みインターネットを閲覧
騎手 永島まなみ騎手控室にスマートフォンを持ち込みインターネットを閲覧
騎手 古川奈穂騎手控室にスマートフォンを持ち込みインターネットを閲覧

第1回京都競馬第2日 騎乗騎手

騎手 今村聖奈騎手控室にスマートフォンを持ち込みインターネットを閲覧、調整ルームで他の騎手と通話
騎手 角田大河認定調整ルームで他の騎手と通話

※JRA公式ホームページより引用

過去の制裁対象騎手

2011年5月…大江原圭騎手が30日間の騎乗停止処分となる

2013年7月…原田敬伍騎手が30日間の騎乗停止処分となる

2015年3月…C.ルメール騎手が30日間の騎乗停止処分となる

2016年10月…丸山元気騎手が30日間の騎乗停止処分となる


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